ニアショアとは?オフショアとの違いや企業のメリットなどを解説

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システムやアプリの開発業務、Webサイトの制作・運用業務を、「ニアショア」によってアウトソーシングする企業が増えています。
ニアショアとは何か、よく引き合いに出されるオフショアとはどのように違うのかなど、ニアショアについて知っておくべき情報をまとめてご紹介します。また、企業がニアショアを活用するメリットを、具体的な事例も交えて見ていきましょう。

ニアショアとは、国内の地方企業に外注すること

ニアショアとは、情報システムやWebシステム、Webサイト、アプリケーションの開発・制作・運用の一部を、日本国内の別の地方にある企業に外注することです。
ニアショアと対をなす言葉がオフショアです。オフショアは元々サーフィン用語で、「陸から海に向かう風」を表します。転じてビジネスの世界では、国外の企業に外注することの意味で使われるようになりました。一方、ニアショアには、「海外と比べて近い距離にある国内の別の場所」という意味が込められています。

ニアショアが注目されている背景

近年、ニアショアが注目されるようになった背景には、国内の地方都市にIT産業が定着し、事業を拡大してきたことにより、外注先として国外企業だけではなく国内企業を選ぶメリットがあらためて認識されたことが挙げられます。

さらに、働き方改革の推進、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うリモートワークの急速な普及も、この流れを後押ししました。クラウドサービスや各種ツールを活用して仕事ができるようになり、遠隔地にある企業に開発や運用業務を任せても問題ないという認識が一般化してきているのです。 これまでは、派遣エンジニアを自社に常駐させていたような企業でも、それに代わる新たな選択肢としてニアショアに注目するケースが増えています。

ニアショアのメリット

企業がニアショアを活用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なニアショアのメリットを、5つご紹介します。

①コストが削減できる

ニアショアによる開発・運用は、多くの場合、首都圏など大都市圏の企業に外注する場合と比べて、コストの削減効果が得られます。理由は主に、大都市圏と地方との人件費の違いによるものです。
システム開発では、首都圏で開発する場合の概ね10~30%のコスト減が実現されるといわれています。

②コミュニケーションがスムーズ

海外とのやりとりが発生するオフショアと比較すると、ニアショアはコミュニケーションが圧倒的にスムーズです。言葉だけではなく、慣習や労働文化、時差のギャップも生じません。

特に、Webサイトの制作・運用のように、コンセプトの理解やコンテンツの内容について細かいすり合わせが必要な業務では、コミュニケーションギャップが大きな問題となります。そのため、特にWebサイトの制作におけるフロントエンドの作業や運用には、ニアショアのほうが適しているのです。

③地方の余剰人材を確保できる

首都圏や東海、近畿などの大都市圏で不足しがちなエンジニアなどのIT人材も、地方であれば確保できる余地があります。
各地域の企業で採用・育成された人材のほかにも、UターンやIターンで地方に移り住むエンジニアもいます。ニアショアによって、IT人材の余剰があるエリアから不足しているエリアへと、供給ができるのです。

④リスクの回避・軽減ができる

地方の外注先に開発・運用の一部を委託して拠点を分散することで、災害などによってシステムや事業が停止するリスクを回避・軽減することができます。特に、自社から遠く離れた地方に外注する場合は、地震や火災を想定したDR(災害復旧)対策やBCP(事業継続計画)対策として役立ちます。

また、オフショアに見られる、対象国の政治・経済・社会環境の変化に伴うリスクが発生しないことも、ニアショアのメリットです。

⑤地方貢献につながる

地方創生や地域活性化など、地方の産業の発展に貢献できるのもニアショアのメリットのひとつです。 今後、ニアショアの需要がさらに高まれば、地方都市のIT企業やシステム開発会社の成長を促し、そこから地元の雇用が促進され、優秀な人材が育ちやすくなるといった好循環が生まれるでしょう。

ニアショアのデメリット

ニアショアは企業に多くのメリットをもたらしますが、デメリットがないわけではありません。ニアショアには、主に下記のようなデメリットがあります。

コスト削減効果はオフショアに劣る

首都圏などと比べれば、ニアショアはコスト的に割安ではあるものの、オフショア並みというわけにはいきません。
首都圏で開発する場合、ニアショアでは概ね10~30%のコスト減が実現すると前述しました。しかし、例えばここ数年、オフショアの外注先としてよく利用されているベトナムの場合、概ね50~70%のコスト減が実現可能といわれています。

外注先の選定が難しい

ニアショア需要が増すにつれて、地方の優良企業の争奪戦も加速しています。
ITベンチャーなど少数精鋭の外注先はすでに多くの案件を抱え、スケジュールに空きがない傾向も見られます。そのため、いざ外注先を探そうとしても、見つけるのが難しいということがあるかもしれません。

優秀な人材が限られる

地方の企業にも、もちろん優秀な人材はいます。しかし、その絶対数は大都市圏に比べるとまだまだ少ないというのが現状です。
ニアショアによる開発・運用にはエンジニアが不可欠ですが、ほかにもクライアントとのコミュニケーションや折衝能力に長けたディレクターやプロジェクトマネージャー、受発注の橋渡しをするブリッジSEもまた重要な役割を担います。優良企業に依頼できたとしても、その企業内において、優秀な人材が担当してくれるかどうかが課題となっています。

地方のIT産業の状況

ニアショアの需要が高まっているのに対し、地方のシステム開発の体制は、まだ十分に整備されているとは言い難い状況にあります。各県でのばらつきも見られます。

一方で、地域に根ざしたIT産業や情報産業の振興を掲げている自治体も少なくありません。地方のシステム開発会社などがニアショアに対応し始めているのに加えて、大都市圏に本社を持つ企業が地方に開発拠点を作るケースも見られます。
ここでは、地方におけるIT産業の振興の一例として、沖縄のケースをご紹介しましょう。

沖縄のIT産業の振興例

沖縄では、1998年に「沖縄県マルチメディアアイランド構想」が策定されて以降、自治体と民間企業が共同し、ITを観光に次ぐ産業の柱にしようという取り組みがなされてきました。

実際に沖縄県内にIT関連企業の数が増え始めたのは、2000年代の前半頃からです。採用活動も活発に行われ、一時期は新卒の人気企業ランキングに多くのIT企業が名前を連ねていました。2011年から2018年のあいだには、沖縄に立地するIT企業の数が倍増しています。2021年現在は、その頃の勢いは若干落ち着いていますが、IT企業が撤退しているというわけではなく、安定・定着している状況にあります。

沖縄のIT企業で特に多いのは、情報サービス業、コールセンター、BPOセンター、ソフトウェア開発会社、コンテンツ制作会社などです。元々、大都市圏の受託事業に携わる企業も多く、ニアショアの外注先として発展するベースがあったともいえます。その背景には、沖縄県は出生率が高く人件費が割安で、地震が非常に少ないなどの条件がそろっていることが挙げられるでしょう。

ニアショアの導入事例

沖縄に本拠を置く株式会社プロトソリューションは、「SENZOKU LAB.」という名称でWebサイトの制作・運用を中心としたニアショアサービスを提供しています。
最後に、プロトソリューションが携わっているニアショアの導入事例を2つご紹介しましょう。

航空会社のWebサイト運用

航空会社の機内エンターテインメント、機内誌、Webサイトなどの企画・制作を手掛けるインハウスの制作会社。そのうち、Webサイトの運用の一部をSENZOKU LAB.にアウトソーシングしています。

ニアショアを導入した経緯

2013年、プロトソリューションがクライアントから、あるWebページに掲載する商品の差し替え業務を依頼される。それをきっかけに、翌年にはWebサイト運用の一部委託がスタート。間もなく東京のオフィスにコーダーやディレクター数名が常駐派遣される形となり、その後、東京常駐のオンサイト(現地への派遣)1名+ニアショア数名による業務連携が本格稼働。
数年後にはオンサイト数名、沖縄でのニアショア人員も数十名規模へと拡充。現在は大規模なWebサイト運用、広告運用などを継続的に行っている。

ニアショアの導入効果

コストダウンと社内の業務負担軽減を目的にニアショアを導入。その後、研修や常駐派遣を通じてWebサイトのコンセプトや企業文化を深く理解する作業を継続的に進めることで、両社のリレーションシップが強固に。大規模なWebサイトの運用委託で、さらに業務効率化が進んだ。

大手メーカーのグループ会社のWebサイト運用

大手メーカーの情報システム部門が分離独立した専門会社。グループ内の各事業のデジタルビジネス化のほか、ビジネスプロセスデザイン、DX(デジタルトランスフォーメーション)などを推進しており、Webサイト制作・運用も自社で手掛けている。その中のWebサイト制作業務やその付随業務、案件管理業務などをSENZOKU LAB.へアウトソーシングしている。

ニアショアを導入した経緯

当初、クライアントからは、グループの各種Webサイトの更新作業などが依頼される。元々、さまざまなWebサイトの制作や更新、公開、運用などの案件が大量にあり、発注を重ねるうちにSENZOKU LAB.との関係性が深まっていった。
また、経営層同士の面談を経て、さらに企業間の相互理解が進み、一気に取引量が増大。現地に数名の人員を常駐派遣し、うち1名はブリッジ役を担う管理者として数十名の沖縄チームの稼働もコントロールする体制が作られていった。2021年、ニアショアを開始して10年以上が経過している。

ニアショアの導入効果

社内業務の急激な増加に対応するために、アウトソーシングを推進。業務効率化とコスト削減の両立を目的にニアショアを導入した。両社の企業文化や企業風土がマッチするという認識が深まるにつれ、本格的なニアショア運用が進んでいき、業務負荷が分散された。

今後ますます高まるであろうニアショア需要

ニアショアには複数のメリットがあり、大都市圏の企業が抱える課題を解決できる可能性が高いため、その需要は今後ますます増していくものと考えられます。委託できる業務の範囲も広がっていくでしょう。Webサイトの運用に関しても、優秀なIT企業やIT人材が集まる沖縄のような地域への外注を、活用していかない手はありません。
ニアショアを活用する際には、まず自社に適したニアショアの形を模索することが大切です。特に、Webサイトの運用業務にニアショアの導入を検討されているなら、沖縄を拠点に、さまざまな企業と体制を構築してきたSENZOKU LAB.にご相談ください。

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