メンバーの教育係でありながら、社内を横断的に統括するマネージャー金城拓。「メンバーに機会と場を提供したい」と語る彼の真意とは?
メンバーの「やってみたい!」に応えられる組織を目指して
Web黎明期から業界の第一線で経験を積み、沖縄に戻ってきて8年。金城拓は、SENZOKU LAB.初めての統括ディレクターとして「全体最適」に挑んでいます。
蛸壺のようにチームが並んだ従来型の縦割り組織から、職能や担当領域を超えたマトリクス型の組織へ。チームの壁を超えて人選し、目指すは「組織力の最大化」。それは、長くマネジメントに携わり、メンバーの能力と志向性、キャリアプランを深く知る金城にしかできない挑戦だといえるでしょう。 「誰もが楽しんで仕事ができる組織を作りたい」と、後進に温かい視線を注ぐ彼にじっくり話を聞きました。
金城拓
2014年入社。都内のWeb制作会社に7年勤務した後、帰省してSENZOKU LAB.へ。業界経験は長く、約20年に及ぶ。現在はWebディレクター、Webデザイナー、マネジメントなど、多岐にわたる役割をマルチにこなしつつ、チーム横断型の体制づくりにも挑んでいる。
休日は沖縄のレジャーを満喫。ホエールウォッチングに挑戦するのを楽しみにしている。
ものづくりの経験を人材教育に活かしたい
まずは、SENZOKU LAB.入社に至るまでの経歴からお聞かせください。
芸術大学を卒業し、東京のWeb制作会社でWebディレクター兼デザイナーとして働いていました。
当時はWeb黎明期でしたから、仕事は超ハードでした。泊まり込みで行う仕事も珍しくありませんでした。 そこで、7年程経験を積み、ちょうど30代に差しかかる頃、事情があって沖縄へ帰ることに。それまでの経験を活かせる会社を探してSENZOKU LAB.に入社し、今に至ります。
大学時代からWeb系のデザインをしていたのですか?
大学時代はプロダクトデザインを中心に やっていて、Webとは無縁でした。
Web系に進んだのは、大学の講師に紹介していただいた産学協働型OJTがきっかけです。ちょうど、沖縄県がIT人材の育成に力を入れ始めていた時期 で、興味本位で応募してみたんです。
そこからすっかりWebにのめり込んで、昼間は大学で学び、授業後はWebの仕事をする生活をしばらく続けていました。
学生時代からたくさんものづくりを手掛けてこられたのですね。SENZOKU LAB.を選んだのも、作り手としての経験を活かすためですか?
当時、SENZOKU LAB.ではIT関連やデジタルコンテンツの人材養成スクール運営会社と業務提携していました。未経験者を即戦力のWebクリエイターへ育成する教育事業を行っていたんです。
自分が東京でしてきた仕事をそのまま沖縄でも継続するよりは、東京で得た経験をもとに、後進を育成できる仕事に携わりたいと思っていたので、その事業がSENZOKU LAB.を選ぶ決め手になりました。 事業自体は終了しましたが、今も社内メンバーのスキルアップ推進のための評価制度の検討や、キャリアアップに関する面談を通して教育に携われているので満足しています。
社内初となる「チーム横断型の体制づくり」を主導
今のお仕事について、もう少し詳しく教えてください。
急ぎの仕事やクライアントとイメージをすり合わせる際には、Webデザイナーとして実際に手を動かすこともありますが、主にWebディレクターの仕事や、後進の教育に関わるマネジメント業務などを手掛けています。
Webディレクターの仕事は、クライアントがサイト上で叶えたいイメージのヒアリング、運用体制の検討などから、ご要望に沿った制作物をアウトプットするまで伴走します。その一連の流れを統括するのが私の仕事ですね。 案件の規模は大小さまざまですが、平均して3〜5件を同時進行で進めています。繁忙期になると、それが10件程になることもありますね。
どのようなチーム体制で仕事を進めていくのでしょうか。
以前はチーム制で、プロジェクトごとに担当チームを決め、そのチームのリソースが足りなくなればほかのチームから融通してもらう方法を採っていました。最近は、私が「チームを持たないディレクター」として単独で動くようにして、プロジェクトの内容に合ったチームづくりをしています。
私が横串となって横断的にメンバーのスキルや適性を見極め、その都度、最善のチームを作っているイメージですね。これまでは、Web制作分野を中心としたディレクションを行っていましたが、今はマーケティングの専門家やオペレーションに長けた人など、専門性・タレント性に富んだ100人近いメンバーとチームを組めるので、日々新しい発見があります。 協力的で信頼できる仲間に囲まれているからこそ、新しい体制の中でもいいアウトプットができているのだと感じています。
横串でプロジェクトチームを立ち上げるには、個々のスキルや志向性を深く理解しておく必要がありますね。
横串として 役に立っているのが、長いあいだマネジメント業務で取り組んできた「キャリアパスの仕組み化」 や、年に2度の「スキル評価面談」です。
スキル評価面談では、現時点でのスキルレベルを確認するとともに、今後のキャリアの方向性についても希望を聞いていくので、メンバーのプロファイルを理解した上でチーム内の適切なポジションにアサインできています。
なるほど、担当されている業務の相乗効果で、いいチームづくりができているのですね。部署を横断した新しい業務の進め方を通じて、金城さん自身が得たものはありますか?
自分の専門分野以外のスキルやノウハウを持つ社内メンバーと関わるようになったおかげで、知見が増えましたね。制作においても運用においても、より戦略的かつ効率的に進める方法を考えるようになり、視野が広がったと感じています。
メンバーとの面談や日々のマネジメントから得た気づきが、私自身の仕事に活きています。気づきがとても多いんですよ。若くて希望にあふれたメンバーの素直さや前向きな姿勢にはいつも元気をもらっていますし、キャリアプランや仕事に対する価値観、専門分野の話をする中で感じるそれぞれの人間性から、学ぶものがたくさんあります。
お話を伺っていて、「メンバーを教育する」というより、「メンバーといっしょに成長しよう」という姿勢を感じます。
メンバーに仕事を割り振るときやチームを作るときにいつも考えているのは、いっしょに仕事をする仲間にはもちろん仕事を楽しんでほしいし、私自身もできるだけ仕事を楽しむこと。
そのために、クライアントとのコミュニケーションによって得た情報を共有し、クライアントの業界を身近に感じられるようにしたり、こちらからトレンドを取り入れたデザインや技術的に挑戦してみたいことをクライアントに提案したりするなど、作業的な仕事ばかりにならないよう工夫しています。
社会人として生きていく以上は、1日の多くの時間を仕事が占めることになりますよね。多くの時間を費やすからには、楽しく働けたほうがいいじゃないですか。一人ひとりの「やってみたい」「チャレンジしてみたい」をすくい上げてチャンスを提供し、やりがいをもって働ける環境を提供するのが私の役割だと思っています。 実際、押しつけられた仕事よりも、本人の意思でチャレンジした仕事のほうが、成果物のクオリティも高いんですよね。
メンバーやクライアントとはオンラインでのコミュニケーションが中心だと思いますが、相手の状況や心情に寄り添うために工夫していることはありますか?
クライアントとのオンラインでのやりとりは、実は対面より仕事しやすい部分もあります。ちょっとした疑問や質問もチャットで気軽に確認できますし、ヘッドセットなどを使えば聞き間違いや聞き漏れもありません。相手が映っている画面が暗いと表情が読み取りにくかったり、対面よりも雰囲気をつかみにくかったりすることはありますが、慣れてしまえばほとんど気にならないと思います。
メンバーに対しては、そもそも追い詰められた状態にならないよう、それぞれのキャパシティを理解した上で仕事を振ることを心掛けています。加えて、仕事で関わるメンバーとは意識的に接点を増やし、普段からよく話をして理解し合っているので、オンラインでもだいたいの様子はわかりますね。
話しかけたときのレスポンスの速さやチャットの文章の行間から、「もしかして大変なのかな?」「何かあったのかな?」と察することもあります。そんなときは、できるだけ早く声をかけて、悩みに耳を傾けるようにしています。
社内で多様なキャリアを実現できるようにサポートしたい
仕事が大変なときやつらいとき、金城さん流の乗り越え方があれば教えてください。
先が見えない仕事はつらいですよね。できるだけゴールを見つけるか、どこかで区切りをつけるようにしています。同じ戦場で戦っている人と話をして、つらさを分かち合うと心が安らぎますね。
プライベートな時間を充実させることも、頭を切り替える方法のひとつですね。個人的には、沖縄に帰省して以降、妻の影響もあって興味が広がり、遊びの選択肢が増えました。離島に行ってシュノーケルをしたり、陶芸やモーターパラグライダーを楽しんだり、イルカのエサやりをしたりと、まるで観光客のような休日の過ごし方をしています。 一度、県外に出たおかげで、沖縄の良さがよくわかるようになりました。
最後に、これから挑戦したいことを聞かせてください。
SENZOKU LAB.の事業発展はもちろんですが、これからのWebクリエイティブの在り方を踏まえた、多様なキャリアを後押しできる仕組みを作っていきたいと思っています。
SENZOKU LAB.は、Webマーケティングから制作、動画制作、DX(デジタルトランスフォーメーション)など、Webに関連するあらゆる分野の経験を積むチャンスがあり、成長機会に満ちた環境です。インハウスデザイナーとしてのノウハウはもちろん、BPOでのクライアントの課題を解決するための柔軟な思考や多彩な表現が身につくことも、SENZOKU LAB.ならではの良さといえるでしょう。
「いいものを作りたい」という熱意がある人が、SENZOKU LAB.においてキャリアの理想的なロードマップを描けるように、力を尽くしていきたいですね。